【YUSUI JOB LIFE#005】農家民宿を営む、竹野さん

「田舎暮らしは忙しいと良くいいますが、本当にそうです。一つ一つの手仕事が多く、暮らしに時間と手間がかかります。スローライフ感はあんまりないですね。(笑)でも、私たちはそれが楽しいんです。手間暇かける分だけ、暮らしが楽しく豊かになると思います。それが農家の暮らしの魅力で、私たちはその魅力を一人でも多くの人に知って頂ければと思い、農家民宿を続けています。」

竹野さんご夫婦は、6年前に湧水町に移住して、有機で野菜やお米を作りながら、農家民宿を営まれています。

湧水町には、「グリーン・ツーリズム湧水」という、町内の提携農家さんと共同で、修学旅行などにおける農家民泊や農村体験等の活動をされている団体があります。

その中で、竹野さんは地域活性化を目的とした「グリーン・ツーリズム湧水」主催の「霧島山麓湧水マルシェ」、「湧水町魅力発見モニターツアー」などのイベントの運営も精力的にされています。

今回はそんな竹野さんに「湧水町で農家民宿として働くことの魅力」についてお話を伺ってきましたので、お伝えいたします。

【YUSUI JOB LIFE#005】農家民宿を営む、竹野さん

Q湧水町にIターンしたきっかけがあれば、教えてください。

自分たちが農業を始めたきっかけは、”田舎で子育てをしたい”という想いからでした。8年くらい前に鹿児島市内に移住して、農業を学びました。農家民宿をしたいと場所を探していたところ、知人の紹介で湧水町の上場小学校や空き家を紹介して頂きました。当時は全校生徒10人くらいの複式学級で、小学校を中心にした地域の繋がりがとてもあたたかくて良いなと思ったのがきっかけで、湧水町に引っ越して、有機農業と農家民宿を始めました。

▲自然と一体となった蕎麦畑。白い花がとても可愛らしいですね。

Q湧水町にIターンして、良かったと感じる事はどんな事ですか?

水と空気が美味しいですね。特に水は全然味が違います!普段は水道水を飲んでいるのですが、子供たちも、ここのお水は美味しいと言って飲んでいます。あとは、地域の人があたたかく、通学路等で出会う人が声掛けをしてくれるので、とても安心です。

▲海外からの観光客も訪れる、日本名水百選の「丸池湧水」。

Q湧水町にIターンして、田舎の暮らしに慣れるまで方言や習慣など、どんな事が大変でしたか?また、慣れるまで何か月くらいかかりましたか?

鹿児島弁は、正直今でも聞き取れないこともありますよ。(笑)高齢の方の言葉は、特に聞き取るのが難しいですね。地域の共同作業などがあり、その時に「ぼっぼやんや(ボチボチやりなさい)」と言われたのが全く意味が分からなくて…、今なら分かるのですが。でも夫婦ともに海外で生活していた事もあるので、それに比べたら全然意思疎通はできますし、方言は好きなので、苦ではありませんでした。

 

▲春の風景。菊芋と菜の花畑。

QIターンする前は、どんなお仕事をされていましたか?

会社員でした。以前は、妻はタイで、私はバングラディッシュに滞在し、青年海外協力隊をしていた時期もあります。

▲家族でマルシェなどのイベントに出店しています。野菜や、マクロビオティックのおやつ等を販売しています♪

Q以前の暮らしと変わったところはどんなところですか?

以前は仕事をして、その対価としてお金を貰うという生活でしたが、今は農業をしているので自給率がすごく上がりました。でも生活のひとつひとつが、とても時間がかかります。例えば暖房。以前はスイッチ一つで部屋が温かくなりましたが、今は薪ストーブを使用しているので、木を切って、薪割りをするところから始めます。薪はすぐ使用できないので、1~2年乾燥させて使用します。薪をくべて、火をつけて、それから暖かくなるまでは2、30分かかります。お風呂も薪風呂。でも、私たちはそういう暮らしをしたいと思っているので、楽しみながら暮らしています。

▲昔ながらのトウミという装置で、小麦を選別します。手間暇を惜しまない、田舎暮らしの楽しみを子供たちに伝えるのが、農家民宿の醍醐味とのこと。

Q今の仕事内容について教えてください。

農家です。有機で野菜やお米を作っています。農家民宿としての受け入れもしており、農家の日常の暮らしを体験して頂けるように心がけています。また、マルシェ等のイベントに出店したり、グリーンツーリズム湧水として、様々なイベントの運営にも携わっています。

▲稲刈りとかけ干し体験の様子。

Q今のお仕事でやりがいを感じる時はどんな時ですか?

泊りに来たお客様に楽しんで頂けているなと感じた時に、やっていて良かったなと思います。また、修学旅行生などの受け入れでは自分たちは日常に過ごしていることでも、「街灯が無くて夜が真っ暗!」「コンビニが一つもない!」「星が綺麗!」「月が綺麗!」など、驚いているのをみるのが楽しみでもあります。

▲石臼できなこ作りの様子。みんなでワイワイ楽しみながら作ります。

Q将来、実現したい事や目標がありましたら教えてください。

田舎暮らしの魅力を全国に発信して、その共感の輪を広げていきたいと考えています。今の若い世代は都会で暮らす事に魅力を感じる人が多いかもしれませんが、田舎暮らしの「手作り」や「手作業」があるライフスタイルも、とても楽しく魅力的です。そこにはお金に換算できない貴重な体験があります。そういった体験を農家民宿などを通して、伝えていければと思っています。

▲干し大根も手作りで、こちらはタクワンにするのだとか。

Q今後、あなたのように湧水町で農家民宿・農家を営みたいと考えている人に、仕事を長く続ける上で何かアドバイスがあれば教えてください。

田舎は、長く住んでいる人が都会よりも多いので、最初は引っ越しの挨拶をするなど、自分から積極的に地域に入っていくことも大切なのかなと思います。

▲みんなで一緒に味噌作り♪

Q湧水町のお気に入りのスポットはありますか?

三日月池からの眺めや、栗野岳のホーストラストの眺めがお気に入りです。あとは上場地区にある佃(つくだ)の疎水は、知る人ぞ知るスポットなので、修学旅行生等を連れていくと、みんなビックリしていますよ。

▲三日月池からは、雄大な栗野岳が一望できますよ♪

Q暮らしている地区の特色や人柄について教えて頂けますか?

今は、上場(うわば)地区で暮らしています。地区には上場小学校があり、この小学校は全校生徒が十数名ほどの複式学級です。でも、運動会やイベントがあると、小学校を中心として地区全体が盛り上がりますよ。生徒数も少しずつ増えています。子供たちが地域を明るくしていると感じますし、登下校中の子供たちへの地域の方の声掛けなどもあり、安心して暮らせる場所だと感じています。また、「田の神さぁ(たのかんさぁ)」の持ち回りの文化がまだ残っています。「田の神さぁ」とはこの辺一帯に伝わる稲作の豊穣をもたらす神様のことで、今は地域の班長の家にあり、班長が変わるとその家に移す、という文化が残っています。「田の神さぁ」の文化が好きなので、私の家にも来ないかなあと、わくわくしていますよ。

▲「田の神さぁ」です。優しい表情をしているものが多いです。

Q湧水町で暮らす中でこれがあったらいいな、と思うものはありますか?

小児科が無いので、伊佐市や横川などに行ったりしています。あんまり病院に行く機会はないので、差し迫っては無いですが、あったらいいなとは思います。また、車社会なのであまり歩道がないなと感じました。子供の通学などにあると安心だなと思います。また、自分たちが移住したときに湧水町のことを色々調べるのが大変だったので、ここを見ると移住に関する情報が載っているページなどがあると良いと思います。でも、前までADSLだったのですが光回線が通るようになったり、お買い物する場所がギュッとまとまっているので、一度で用事を済ませられるのは暮らしていて便利だなと思っています。

▲奥様の作るマクロビオティックのおやつは、可愛くて美味しくて健康的で、大人気です☆

Q湧水町で働く魅力を教えて頂けますか?

湧水町は盆地なので寒暖の差がかなりあります。それはお米作りには最適な場所なんです。湧き水も豊富で、お水も綺麗なので、美味しいお米が育つ場所です。あとは、3県の県境付近に位置していて、鹿児島市や鹿児島空港へのアクセスもとても良いです。販路を工夫すると、色々な販売方法や可能性があると思いますよ。

▲田植え体験の様子。

Q最後に、湧水町への移住希望者へひとことメッセージをお願いします。

湧水町には昔ながらの田園風景や、文化が残っています。観光地化もあまりされていないので、何もないからこそ、可能性や伸びしろを秘めた町なのかなと感じています。田舎はどこもそうかもしれませんが、自分のアイディアや工夫次第で、どんなことでも挑戦できると思います。私自身、暮らしを楽しみながら、働くことも楽しんでいます。世界には色々なライフスタイルがあるように、働き方もたくさんあると思います。ここはインターネットも繋がるので、昔ながらの手仕事も、現代的なことも、どちらもできる可能性のある場所だと思います。

取材を終えて…

竹野さんご夫婦とは、2017年9月末に開催された、グリーンツーリズム湧水主催「湧水町の魅力発見モニターツアー」の際に、知り合いました。

町内外から見た湧水町の農家民宿の魅力や、更により良くしていくためにはどんな事が必要か等の話し合いが行われた際に、ご夫婦ともに熱心に話されていて、とても刺激を受けました。そして「この方たちと一緒に頑張っていきたい!」と、とても心強く思ったのを覚えています。

いつも優しく色々なアドバイスをくださる竹野さんご夫婦に、今回はご多忙の中、貴重なお話をたくさん聞かせて頂きました。

「田舎は、自分が何をしたいかで、何でもできると思います。特に湧水町は、何もないからこそ魅力的で、これからきっと面白くなる町だと思います!」

そう話されていたのが、印象的でした。

農家であり、農家民宿であり、イベント出店もされて…、体力的にもとても大変なのではないかと思います。でも、いつも前向きで、明るく楽しそうで、「より良くしていこう」とする竹野さんの姿勢は、とても素敵で憧れます。

田舎暮らしの面白さは、竹野さんの農家民宿「雲をたがやし月に種まき」で味わう事ができますよ。季節によって体験できるメニューが異なるようです。興味のある方は、ぜひ宿泊されてみてはいかがでしょうか♪

竹野さん、ご協力いただきましてありがとうございました!

★雲月農園

湧水マルシェなど、様々なイベントに出店しています。

詳しくはこちらまで⇒雲をたがやし月に種まく日々


★農家民宿 雲をたがやし月に種まき

<場所>鹿児島県姶良郡湧水町木場4141

☆季節により、体験内容が変わりますのでお問い合わせください。

facebook⇒@yusui.kumotuki

ABOUTこの記事をかいた人

鹿児島県の北部に位置する湧水町で地域おこし協力隊として活動している、くりよしと申します。湧水町の魅力やイベント・移住定住に関する情報を発信していきます。宜しくお願いします!!