【YUSUI JOB LIFE#001】農家民宿を営む、食彩工房せとやまさん

「ここは時間がゆっくりと流れている。その中で、お客さんととても近い距離で、まるで本当の家族のように一緒に時を過ごすことができるのが、農家民宿の良さではないでしょうか。」

そう語るのは、湧水町の上場地区で農家民宿「食彩工房せとやま」を営む瀬戸山さんご夫婦です。

瀬戸山さんご夫婦は、お二人とも湧水町の出身で、今から9年ほど前に、地元にUターンしてきたとのこと。

「農家民宿」という言葉を皆さんはご存知ですか?「民泊」「シェアハウス」「ゲストハウス」と様々な言葉がある中で、「農家民宿」とは農林漁業を営んでいる者の住居を旅行者に提供し、農作業を体験したり、農家が作った作物を食べたりする事によって、よりその土地の食べ物と人に触れ合うことのできる宿泊形態です。

湧水町にも何件か「農家民宿」を営まれている方がいらっしゃいます。

今回はその中でも、旬のお野菜を美味しく食べることができる「食彩工房せとやま」さんにお話を伺ってきましたのでご紹介いたします。

【YUSUI JOB LIFE#001】農家民宿を営む、食彩工房せとやまさん

Q湧水町にUターンしたきっかけがあれば、教えてください。

私たちも60歳の手前で、母が心配だったのもあります。また、調理の仕事を長らくしていましたが、ちょうど仕事が一区切りついたというのも理由の一つでした。

▲取材時はコスモスがとても綺麗でした。「1年中お花が楽しめるように、様々な季節の花を植えているんですよ」とのこと。

Q湧水町にUターンして、良かったと感じる事はどんな事ですか?

ここは自然が豊かで、時間がゆっくりと流れています。色々な場所で働きましたが、ここでの時間は本当にゆっくりです。また、こちらに来てから有機野菜作りを始めました。自分の手で、料理の素材から作る事ができるのは良いですね。

▲取材時は、白菜や大根等、冬野菜を作られていました。

Q湧水町にUターンして、田舎の暮らしに慣れるまで、どんな事が大変でしたか?また、慣れるまで何か月くらいかかりましたか?

大変なことは無かったように思います。昔からの知人も多かったですし、暮らしにはすぐに慣れました。実は、こちらに来た当初は農家民宿ではなく、お蕎麦屋をやっておりました。湧水町内の方と知り合い、そこで有機野菜作りを知って、数年前に農業を始めました。そして今の農家民宿という形に落ち着きました。

▲家の横の鶏舎には、立派な鶏の姿が…!

QUターンする前は、どんなお仕事をされていましたか?

一番最初は大阪でフランス料理の料理人をしていました。そのあとは、ホテル等で懐石料理を作るようになり、鹿児島市内や屋久島など、様々な所で働いてきました。

▲「トウガラシは干して、冷凍しておくと良いですよ」と奥さん。

Q以前の暮らしと変わったところはどんなところですか?

やはり、食材から自分の手で作り出すようになった事です。旬のものを食べて頂きたいので、季節の野菜を中心に様々な有機野菜を育てています。今は白菜や大根など。寒くなってきたので、地鶏鍋や、しし鍋などにしてお出ししています。とっても美味しいですよ。

▲珍しい紫色をしたアケビ。「実が割れたら生で食べても美味しいよ。ゼリーなんかにしても良いしね。」と旦那さん。

Q今の仕事内容について教えてください。

農家民宿として、修学旅行生や、一般のお客様の受け入れをしています。お客様には、蕎麦打ち体験や農業体験等を楽しんで頂いています。また、予約制でランチも営業しています。和食の懐石料理を楽しんで頂いています。

▲大きなナスもたくさん収穫していました。「白ナスは、焼きナスにすると甘くて美味しいよ」と、ご夫婦そろって、それぞれの野菜の特徴を活かした調理法にとっても詳しいです。

Q今のお仕事でやりがいを感じる時はどんな時ですか?

今までは、料理を作って提供するところまでが仕事でしたが、農家民宿をするようになってからは、お客様と関わる機会が増えました。一緒に農業体験をしたり、料理を作って食べたり、親密感が違いますね。まるで本当の家族のようにひと時を過ごせるのは、とても楽しいです。また、お客様からお礼のお手紙を頂くこともあり、嬉しく思います。

▲あたたかみのあるお座敷で、食事をしたり、泊っていただくことも。

Q将来実現したいことや目標がありましたら教えてください。

もっともっとお客様に来て頂けるようになりたいですね。最近は、インスタグラムを始めました。SNSなどを活用して、幅広い世代の人に、知って頂ければと。また、今使っていない家の横の建物を改装して、ギャラリー等を開ければ面白いかなと考えています。趣味で陶芸を集めておりますので、陶芸作品などを並べた空間が作れたらと構想しています。

Q今後、あなたのように湧水町で農家民宿を営みたいと思っている人に、仕事を長く続ける上で何かアドバイスがあれば教えてください。

何事も楽しみながらやるというのは大切なことです。仕事でも楽しめないと嫌になってしまいますからね。また、湧水町は自然豊かな町なので、そういった豊かな地域資源を活かすということもポイントかもしれません。田舎にこだわってやるのも良いと思いますよ。

▲太陽をたっぷりと浴びた採れたてのゴーヤ。

Q湧水町のお気に入りのスポットはありますか?

栗野岳周辺が好きです。日本一の枕木階段や、八幡大地獄、霧島アートの森など、様々なスポットを回れるのがいいですね。眺めも素晴らしいですし、お客様にもおススメしています。

Q休日はどのように過ごされていますか?

畑仕事をしています。野菜を育てたり、お花を植えたりですね。楽しいですよ。また、湧水町はアクセスも良好で、車で20、30分ほどで空港や国分・隼人などお店がたくさんある場所に行けますので、お買い物に行ったりもします。

▲時間をおいて、食彩工房せとやまさんを伺うと、少し畑やお庭が変わっていました。「ここに来年は曼殊沙華が並ぶように植えておいたの」また来たいと思う、ちょっとした心配りが素敵でした。

Q暮らしている地区の特色や人柄について教えて頂けますか?

上場地区は、湧水町内でも児童数が一番少ない上場小学校があります。児童数は少ないですが、運動会などでは、地区全体が一丸となって参加しますので、大変盛り上がります。有機農業をされている方も多く、のどかで、あたたかい場所だと思います。また、空港にも車で約20分ほどで行けますので、田舎ですがアクセス良好な場所だなと感じています。

▲こちらは月桂樹。ローリエとも呼ばれています。煮込み料理などに使われるそうで、葉っぱがとってもいい香りでした。

Q湧水町で暮らす中でこれがあったらいいな、と思うものはありますか?

お子さんがいらっしゃる家庭では小児科が欲しいという声も聞きます。また、農家民宿も湧水町はまだ少なく感じています。もっと若い世代が湧水町で農業や農家民宿をして、さらに活気が出ると良いなと思います。

▲こちらは何だかおわかりでしょうか?オクラです!畑で育つ姿を始めてみました

Q湧水町で働く魅力を教えて頂けますか?

ゆったりとした時間の中で、農家民宿としてお客様と本当の家族のように時間を過ごすことが出来るのが良いですね。また、栗野岳などの自然が身近にある中で、インターチェンジもある為、空港や地方都市へのアクセスも良く、様々なお客様が来て下さるのも魅力の一つです。

▲こちらは紫式部という植物とのこと。瀬戸山さんご夫婦と畑やお庭を歩くと、植物や野菜のことをたくさん教えてくださいます。

Q最後に、湧水町への移住希望者へひとことメッセージをお願いします。

ここで暮らしていくという覚悟は必要かと思います。生活するためにはお金が必要ですし、お子さんがいながら頑張って生計を立てている家族もいらっしゃいます。ここには自然があり、時間がゆっくり流れていますが、生活となると大変なこともあるかと思います。そういった中でやっていく、という覚悟は必要なのかなと思います。頑張ってください。

取材を終えて…

瀬戸山さんご夫婦とは、グリーンツーリズム主催のモニターツアーで知り合いました。湧水町の事や、野菜やお花のこと、またお料理についてとても詳しく、いつも丁寧に教えてくださいます。お話を聞く中で、「ここは時間がゆっくり流れています」と何度か繰り返し話されていたのが、とても印象的でした。食彩工房せとやまさんは、風が気持ちよく通り抜け、鳥のさえずりが聴こえる、静かでゆったりとした場所にあります。そこでお二人は、料理や農業体験等を通して、本当の家族のようにお客様と過ごされています。人と人の繋がりを感じながら、自然の中で働く姿はとても素敵に感じました。「また伺ったときは、どんな畑やお庭になっているだろう。」そんな再訪したくなるような場所でした。ギャラリーも出来上がるのがとても楽しみです。そして、湧水町はまだ農家民宿が少なく、もっと若手が活躍できる場が増えればいいという言葉も印象的でした。せとやまさん、ご協力ありがとうございました!

食彩工房 せとやま

<予約・お問い合わせ>0995-74-1267

<住所>鹿児島県姶良郡湧水町木場4148-2

☆要予約の懐石・会席料理のランチもやっています。お問い合わせください。

 

ABOUTこの記事をかいた人

鹿児島県の北部に位置する湧水町で地域おこし協力隊として活動している、くりよしと申します。湧水町の魅力やイベント・移住定住に関する情報を発信していきます。宜しくお願いします!!